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第2回    士反 ゆかり

カイザリヤを後にして、私達一行は昼食をとるためにマクドナルドに到着。

 しかし、すぐに中には入れてもらえません。入り口で金属探知機による身体検査を受け、警備員の許可が必要です。
 まず男性のバラさんとシオンが検査をうけます。後ろに並ばされた私とクリスティンさんは、男性達に問題がなければ検査を受けずに中へ入れてもらえます。
 シオンの検査で探知機が反応しています。

 想い返せば日本を出国するとき、イスラエル行きの飛行機に乗るとき、そして後にエルサレムの旧市街に入り嘆きの壁に向かうとき、検問を通るたびにシオンは探知機が反応するために何度も調べられたのでした。イスラエルで自爆テロという、無差別に一般市民をねらった殺戮が繰り返されている現実を肌で感じる瞬間でした。

 この原稿を書いている今日(6月13)のニュースでもエルサレムの中心部でバスを狙った自爆テロによって、犯人を含む17人が死亡したと報道しています。
 しかし、これほどに厳しい身体検査を自らが受けることにより、店内には安全な人しかいないことが確信できて、くつろぎのひと時を過ごすごとができます。
 同じことが入国審査や飛行機搭乗時の身体検査についても言えるでしょう。
 検問を行う人々の瞳は常に悩みが共にある緊張と、一般市民を守ろうとする誇りで強い光を発していました。
 私たちの次の目的地はメギドで、そこは常に戦いのあったところ。※
 小高い丘状にある要塞都市の遺跡、ここメギド国立公園もテロと戦争の影響なのかひっそりとしています。
 私はここ数日の新聞、ニュースを想い巡らし、無理もないと考えていました。
 『出国3日前の2月1日、イラクにいる国連査察団が2月14日に査察の報告をすると発表。

2月2日、米英が武力行使の早期判断で一致、14日の査察の報告以降にイラク問題が重大な山場を向かえる見通し。(実際の米英によるイラク攻撃は3月20日に行われた。)これに対し国連安保理は2月5日の外相級会合を前に戦争を回避すべく、活発に各国間の調整を続けている。云々』

 バラさんが、「新約聖書の黙示録15章13節15節に“神の大いなる日に戦いをするために3つの汚れた霊がヘブル語でハルマゲドンという所に王たちを招集する。”と書いてあるけど、実際のヘブル語ではハルメギド即ちメギドの山という意味なんだよ。」と教えてくれました。
 見晴らしの良い所からエズレル平原を見渡し、そのさらに向こうにカルメル山、ナザレの町、タボル山、モレの丘を見ながら、そういえば国連安保理の外相級の会合が行われるのは今日だったなと想い出していました。
 平原は冬だと言うのに明るい緑色、遠くの山は深い緑色、空は少し曇っています。
 BC9世紀アハブ王の時代に造られた地下水道トンネルに入ると、広くて深いその内部に水が湧いており、メギドの泉と呼ばれているとの説明をうけました。 

 バラさんと初めて会った1980年は、私が初めてキリスト教会に足を踏み入れ、洗礼を受けた年であり、すでにそこの教会員だった夫の賢一と初めて出会った年(結婚したのは翌年)でもあります。
 そこは、日本基督教団に所属しているカリスマ派の教会で、牧師はアメリカ人、聖霊による刷新が常に強調されていました。現在のことは分かりませんが当時の札幌にはペンテコステ派の活発な教会がいくつもあり、北海道の各地の教会でリバイバルの声が聞かれました。そのなかでも特に、バラさんとクリスティンさんの伝道活動は異彩を放っていたのです。
 私はペンテコステ礼拝の日に受洗し、その日洗礼をうけた人の数は十人程、しかも当時二十二歳だった私より年下の人が大多数で、その勢いが偲ばれます。
 新発田教会もそのころ新会堂が建っているのですから、おそらく日本の各地で神様の働きが大きく動いていたのでしょう。

 イエス様と出会い、新しくされた人生が始まり、自分自身の贖いのために走り続けてきました。

この旅は、後ろを振り返らないと決めて生きてきた23年間と自分自身を客観的に見つめなおす旅でした。前を歩くシオンとバラさんの後姿をながめ、未来に向かって否応なしに巻き込まれつつあるテロや戦争の苦悩と、生きることへの閉塞感にあえぐ世界のなかで、この3人はそれぞれがどんな役割を荷うのだろうかと思いました。

 やがて、車中で待ってくれているクリスティンさんを目指し、私たちはメギドの山を下りてゆきました。              

                                以下次号  

※列王下9章14節〜37節、列王下23節:29節参照

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