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ルカによる福音書を読む 3 五十嵐 弘美
| 天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる」 (ルカによる福音書2章1節〜10節) |
皆さんにとってクリスマスはどんな日ですか?一般的には、サンタさんが来る日、ごちそうを食べる日、プレゼントをもらう日、ですね。世の中の商店やホテルやレストランなどは、クリスマスだからといろんな用意をして、皆さんがお金を使うように使うようにと待っています。でも私たちは違うことを考える日だったはずです。とは言っても、クリスマスの物語はもう何度も読んで、その出来事も知っていますから、正直言って改めて解釈するのに苦労しました。そこで、ルカの福音書の最初に戻って、今日の個所までを福音書全体のはじめの部分ととらえ、読み返して見ました。
まず、ザカリアという祭司とその妻エリザベトの間にヨハネが生まれます。ザカリアは天使から男の子が授かるというお告げを聞き、「信じられない」と言ったために口が利けなくなります。その後、お告げの通りエリザベトは身ごもりました。妊娠6ケ月の頃、ヨセフのいいなずけマリアのもとにも天使が現れ、マリアが「神の子」で「イエス」と名づけられる子を産むことを告げられます。マリアはいったんは受け入れるも、不安から親類のおばさんエリザベトを訪ね、天使の言ったことが本当だったことを知ります。エリザベトは月が満ちて子供を産み、予言のとおり「ヨハネ」と名づけられ、後に洗礼者ヨハネとなります。
ここまでたどっただけで、人々の困惑をよそに、準備され予定されていることが、順番に出来事になって来たことがわかります。イエス様の誕生を前に、着々と準備が整っていました。
ちょうどその頃(というより神様の予定表の通りに)皇帝アウグストゥスが人口調査のために住民登録せよとの勅令を出しました。お腹の大きなマリアもヨセフと一緒にナザレからベツレヘムにやって来ました。宿はどこも一杯、イエス様は仕方なく(むしろ予定どおりに)馬小屋で生まれかいば桶の中で寝かされました。その事実は祭司や律法学者などにはいっさい知らされず、羊飼いたちが一番に天使から知らせを受けるのです。
こんなに前もって準備され確実に実行されて来た約束は、「パンパカパ〜ン」と発表されるのではなく、とてもひっそりと星空の下で羊の番をする貧しい者たちに告げられた事が、何か不自然な気さえします。
イエス様がこの世にお生まれになった意味は、ここでは考えないでおきます。天使は「民全体に与えられる大きな喜び」と表現しています。ここまでの話しで神様が人間のために、大きな喜びを与えるために、ひとつひとつ実行に移されて来たことを考えると、ここから後の聖書は「何故それが喜びと言えるのか」を考えながら読めばいいのだな〜と気付きました。
ですからクリスマスは、神様のみ心は確実に実現されて行くということを、もう一度思い出す日でありたいと思うのです。二千年前のおとぎ話ではなく、誰も気付かないでいるかもしれませんが、今もそのご計画は着実に実現されていっているという事を考える日にした時、「この先どうなるの〜」と考えるのはあまり意味がなく、「これから私はどうするか」が必要だとわかるはずです。
将来に希望がない時はそんな事は考えるだけで気分が重くなる問題でした。虚無感と無力感だけが生まれるからです。何が効を奏したのか、今は素直に物語の中に飛び込んで、羊飼いと同じ気持ちで「これから確かめに行こう」という気分で明日を考えることができます。聖書を通して、たくさんの気付きが与えられた事に感謝します。
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